何十社エントリーしても全滅する学生がいる一方、大企業の内定を複数勝ち取る強者がいるのも事実。両者を分けるのは何か。難関企業の内定者を始め多くの就活学生の取材を続けるジャーナリストの森健氏が、リポートする。
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先日、東芝が第一志望だという早稲田大学の学生に会いました。なぜかと聞くと、「レグザが好きだから」だという。ちなみに彼は、東芝が原子力を中心とする社会インフラ事業に力を入れていることを全く知りませんでした。
この「御社の○○が好き」というのは、面接では一番よくないパターン。誰でも言えることであり、「実は何も知らない」ことが面接官にすぐ見抜かれてしまいます。
NTTドコモに2009年に入社した野村大地さんは、その点、大学の図書館の新聞データベースで、同社に関係する一面記事からベタ記事までを全部読みました。世間にあまり注目されていないような会社の話題を出すことで、面接官からは「よく知っているね」と褒められたそうです。
とはいえ、世の中の仕組みや企業社会に疎い学生が、就活のために新聞を隅から隅まで読むのはハードルが高い。
私は雑誌を読むことをお勧めします。雑誌は、新聞よりもわかりやすくまとめられているし、事実を報じるだけではなく、その事実を読み解くための「視点」も数多く提示されている。例えば、一般週刊誌と経済誌の2誌を毎週欠かさず読み込めば、半年後には必ず効果が出るはずです。
※SAPIO2011年3月9日号