夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが漫談家の綾小路きみまろに、メールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、ご主人(45歳)がカメラメーカー勤務の奥様(43歳)。ご主人の花粉症は年々ひどくなっているようです。
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主人の楽しみは週末のゴルフ。昨年までは鼻水を垂らしながらプレーしていましたが、今年は症状がひどく、「花粉の時期が終わるまでゴルフはやめだ」と宣言。家計も助かるし、内心喜んでいたんですが……。
家の中でジッとしているのがガマンできなかったんでしょうね。ある日、主人は居間でゴルフクラブを振り回し、ガチャーン! クラブが当たって、天井の蛍光灯が粉々に。「もう! おとなしく、ゴルフ番組でも見ててよ!」と、私がスカパーのゴルフチャンネルをつけると、「消せ! 見ると余計、ゴルフがしたくなるじゃないか!」と逆ギレ。
「わかったわよ。それじゃあ、私の好きな時代劇チャンネルにするわ」と、番組を変えると、放映していたのは杉良太郎主演の『喧嘩屋右近』。すると、主人は「やめろ!『杉』という字を見ただけで鼻がムズムズするじゃないか!」。呆れて、グルメ番組にすると、「人気のラーメン店か、場所は……東京・杉並? 杉がダメだっていっただろ!」だって。
今度はバラエティ番組にすると、「ダメ! 物知りタレントが『解体新書』の話をして、『翻訳者の杉田玄白は……』などと話すに決まってる!」。そんなわけないと思ったけど、テレビは消しました。だって、新聞の番組表を見たら、出演おすぎとピーコって書いてありましたから。
※週刊ポスト2011年3月11日号