東京スカイツリーの影響でタワーが脚光を浴びているが、そもそも日本にタワーはいくつあるか、どういう建物をタワーと呼ぶかの明確な定義はない。展望台の存在を最低条件とすれば国内に130か所はある。高さ333メートルの東京タワー、234メートルの福岡タワー、131メートルの京都タワー、103メートルの通天閣など観光名所のランドマーク的なタワーが代表的だろう。ほかにも、パーフェクトリバティ教団が建設した超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔(180メートル)など、参拝可能なタワーもある。
初期のタワーは高度経済成長期に完成したテレビ用電波塔が主流だ。その後レジャーブームの到来で観光用のタワーが全国各地に建設され、バブル期の博覧会ブームも建設に拍車をかけた。その一方で、現在では高所からの展望だけでは客を呼べず、閉鎖も相次ぎ、新設されても公共施設に付属する小規模なものにとどまるのが実情のよう。
日本各地の個性的なタワーを見て回るのもまた楽しいだろう。
撮影■丹羽敏通
※週刊ポスト2011年3月11日号