『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版、1470円)の著者で、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さん(26)。「捨てる」選択基準を「役立つかどうか」や「所有している期間」などではなく、「手で触れてときめきを感じるかどうか」に置くところが斬新な、“こんまり流”片づけ術が話題を呼んでいる。
でもひとり暮らしならいざ知らず、家族のモノを勝手に捨てたりはできない。夫のモノや散乱する子供のモノは、どうすればいいのだろう?
「家全体、公共物を片づけようとする前に、自分のモノだけは徹底的に片づけてしまいましょう。パーソナルエリアがすっきりすると、満足感が高まり、驚くほど家族のモノにも寛容になります」(近藤さん、以下「」内も同じ)
夫婦で収納スペースを共有している場合も「自分のスペースはココ!」ときっちり分けて整理をすること。すると、心にも余裕というスペースが生まれるのだ。
「コレクター癖がある男性は多いですが、それが理解できない、嫌だという場合、“あえて手で触れてみてください”と指導します。気に食わないモノは、実はそれに関して知らないことがほとんど。触ると、不思議と愛着が湧いてくることも多いんですよ」
一方、子供のモノに関しては、「親がやらないと、子供はやらないです」とピシャリ。
「親が片づけているのにできない場合は、単純にノウハウを教えること。3才以上なら大丈夫ですよ。ただ、おもちゃは難易度が高いので、最初は洋服のお片づけから教えましょう。おもちゃは種類も素材もいろいろあってカテゴライズが複雑ですから」
断捨離をはじめ、日本では片づけブームが定期的に起こる。でもなぜみな、こんなに「片づけられない」のか。巷には安い流行アイテムが溢れ、ネットでどこにいても簡単に買い物ができる現代。
「モノを選ぶ感覚が、鈍っているかたが多い気がします。本当にそれがあなたの人生に必要か、ときめいて選んでいるか――自分を見つめ直すことで、部屋がきれいになるだけでなく、生き方も変わります」
彼女の元に届いた手紙には、こんな内容も少なくないとか。「家がきれいになったことより、妻がいつもご機嫌で、幸せそうなのがうれしい」(夫)。
※女性セブン2011年3月10日号