「彼女は逝ってしまったけど、常に彼女の存在が、私の支えとなっているんです。がんで闘う人々の生活を少しでも楽にする。それが彼女から託された私の使命だと思う…」
そう語ったのは自民党・三原じゅん子議員(46)。三原にとって20年来の親友・A子さんががんで亡くなったのは昨年11月のことだった。
「A子さんはレーサー時代に一緒に活動していた仲間なんです。レースは月2回くらいなんですけど、レース以外でも、いつも一緒に行動していました。
私が“がんなんだ”と告白したら、彼女も“私もそうなんだ”と話してくれました。実は彼女は子宮から始まって、卵巣やいろいろなところにも転移していたようです。その上、彼女の進行具合はずっと進んでいたのに、反対に慰めてくれたんです。“自分が元気になったんだから。まだまだあなたは大丈夫よ”って」(三原・以下同)
三原は2008年7月に子宮全摘手術を受け、快方へと向かった。しかし、A子さんは他の部位へのがん転移が見つかる。
三原の元にA子さんから1通のメールが届いたのは、昨年11月23日のことだった。
「“抗がん剤の副作用で、脳梗塞が”という内容でした。しかも“代筆”とも書いてあったので、これは相当危険だと思って、次の日、病院に飛んで行ったんです。その姿は私が知っている彼女じゃなかった…。ただ、そのときはまだ意識もはっきりしていて、何とか喋れる状態といった感じでした。“大丈夫?”って聞くと、“うん。大丈夫、大丈夫”って返してくれました。あまり長い会話もできないので“また来るね”といって病室を出ました。それが彼女との最後の会話になりました…」
その2日後、彼女は静かに息を引き取った。
三原は昨年4月に参議院選に出馬し、当選を果たした。その背中を押したのもA子さんだった。
「出馬をする前から、子宮頸がん撲滅のための活動はしていましたので、その流れで、“私は立ち上がらないといけないのかな”という相談はしていました。そうしたら彼女は、“頑張れ”って応援してくれて、決意が固まったんです。彼女のことではもう泣きません。私にはまだやらなきゃいけないことがたくさんありますから」
※女性セブン2011年3月10日号