「もううんざり!」と夫への不満を告発する妻たち。結婚18年目のKさん(48)は、異常なほど心配しすぎる夫(51)にほとほと嫌気がさしているという。
* * *
“ノミの心臓”は見たことないけど、うちのダンナと暮らしていると想像がつく。いや、極小の心臓をトコトコと動かしているだけの小動物なら、まだマシかも。うちのダンナは気が小さい分、騒ぎ方が人一倍大きいんです。
たとえば家族旅行。出発1か月前からダンナはパニック。次から次へと、よくもまあと感心するほど心配事が湧いてくるんです。海外? とんでもない。東京から1、2時間の箱根とか鬼怒川温泉ですよ。なのに、「電車の中でノドが渇いたらどうする?」とか、「旅館に置き引きが出たらどうするんだ」とか。
「ああ、うるさい」なんて私がいおうものなら、「オマエ、オレがこんなに心配してやっているのにうるさいとは何だぁ!」と、赤い顔でぶるぶる震えだす。「ああ、もうやめだ」でわが家の家族旅行は3回計画して、2回挫折が普通でした。
やっと出発できても、最初の角を曲がったところで「あれっ、ガスの元栓、確認したっけ?」「灰皿はちゃんと確認した?」「鍵、かけてきたっけ?」と矢継ぎ早。電車に乗ってもソワソワと落ち着きがなく「心配だから一回、見てくるわ」とひとりで帰宅。だから予約した新幹線や飛行機に乗れたことがほとんどありません。
結婚したばかりのときは、おおざっぱな性格の私にはちょうどいいかもと思おうとしたけど、いやはや度を越えてますよ。私、先日、区の検診で、乳がんの疑いで再検査が必要っていわれたんですよ。ふつうなら「大丈夫」って励ますでしょ。ところがうちのダンナは「どうするんだよっ。子供を残して死なれたらオレはどうすればいいんだぁ」って、そればっかり。検査結果も出てないのに、私を間もなく乳がんで死ぬ人って決めつけて、誰かれかまわず相談してたんです。
もとから頼りになるような男じゃないのはわかり切っていたけど、ここまでされたら情けなくてね。しばらく口をきく気になれませんでしたよ。幸い、単なる乳腺炎で事なきを得たけど、そうしたらあのバカ「オレがどんなに心配したか」って泣きベソかいたの。ふんっ。心配は自分の身だけのくせして、よくいうわ。
※女性セブン2011年3月10日号