JR浜松駅から車で北に30分、静岡・浜松市にある宝くじ・たばこ・履物店『オグラヤ』。ここは名物販売員の小倉千枝さん(82)が元気に店頭に立つ地元でも有名な宝くじ店だ。これまで出たジャンボ宝くじの1等は14本。総額約22億5000万円という激ツキ売り場だ。現在、小倉さんと2人の娘、そして次女の夫という4人の家族とアルバイト店員とで経営している。
「最初はどうせ履物やたばこを売るために店を開けとるんだし、宝くじもいっちょ売ってみるかという気持ちで売ったんだよ。それでな、割り当てられた150枚の宝くじはすぐに売り切れたよ。履物が売れなくなれば、たばこがそれを補ってくれて、たばこがすたれ出すと、宝くじの売り上げが伸びていくっていうふうに、この3つがええ塩梅に補ってくれたわな。いまな、業界によるとな、うちのような昔ながらの履物店は毎年1000店舗以上廃業してるんだってな。うちもずっと履物だけ売っとったら、もう店はなかったかもしれん」(小倉さん)
最初の大きな当せんは、1982年のサマージャンボ1等4000万円だった。当時同店の総売り上げ2000枚からジャンボが1等。それはかなりの確率での当せんだった。昭和から平成にかけてコンスタントにジャンボの当せんが出るようになった。宝くじの売り上げが店の売り上げの半分以上を占めるようになったのを機に店を改装。1993年7月、『小倉はきもの店』は、現在の『オグラヤ』になった。
※女性セブン2011年3月10日号