FX(外国為替証拠金取引)で利益を出そうと思っているのに、いつも裏目、裏目に……、と嘆いているあなたにぴったりなのがシステムトレードだ。システムトレードならプロが作った自動売買プログラムが簡単に利用できる。今回は今最も人気のあるシステムトレードツールのひとつ、「メタトレーダー4(MT4)」を使った自動売買を紹介しよう。
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MT4はロシアのメタクォーツソフトウェア(MetaQuotesSoftware)社が開発したシステムトレードツール。無料で使える上に、自由にカスタマイズができることから世界中の投資家に人気がある。チャート機能が優れているので、自動売買を行なわずにチャート分析だけに利用している人も多い。
MT4 はインディケーター、EA(Expert Advisor) と呼ばれる2つのツールを組み込んで使用する。インディケーターは移動平均線やストキャスティクス、MACDなどのテクニカル指標をチャート上に表示するもの。ベーシックなものからユーザーが独自に開発したものまで、さまざまなインディケーターが公開されており、自分の好みに応じて組み込むことができる。
EAは自動売買のためのプログラムのこと。MT4にEAを組み込めば、決められた戦略に基づいて自動売買をしてくれるわけだ。EAは自分で開発することもできるが、世界中で何万本というEAが公表されている。個人投資家からプロまで、さまざまな人が開発しており、優秀なものもたくさんある。有料のものも多いが優秀なEAさえ見つければ、初心者でもプロと同様の運用をすることが可能だ。
重要なのは「いかに優秀なEAを見つけ出すか」ということ。海外にはランキングサイトなども数多く存在するが、日本にはまだない。自身でもEAの開発を手がけるトラヴィスコンサルティング代表取締役の畠山一教さんは、EA選びのポイントをこう語る。
「もっとも大事なのはバックテストの結果です。バックテストは過去のデータを使って、売買の結果をテストしたもので、チェックするポイントは主に4つあります」
畠山さんが勧めるチェックポイントは【1】チャートの種類【2】総トレード回数【3】勝率【4】最大ドローダウンの4つ。
チャートの種類というのは、バックテストが、日足、週足、時間足、分足など、どのような期間のチャートで行なわれたのか、ということ。これはEAの良し悪しを判断するためではなく、そのEAが自分の取引手法に合っているかどうかを判断するためのものだ。
トレード回数は、バックテスト期間中に何回の売買が行なわれたかを示すもの。たとえば勝率100%などと表示されているものでも、バックテスト期間中に数回しか売買が行なわれていなければ信憑性が低くなる。バックテストの期間が長く、トレード回数が多いシステムほど、信頼性が高いデータということができる。
勝率はバックテスト期間中の売買のうち、どの程度勝ったかを示すデータ。バックテストを見るとき、ついこの勝率に目を奪われがちだが、勝率には損益の額が反映されていないことに注意する必要がある。たとえば、勝率90%という場合は10回の売買のうち9回は勝ったことになる。しかし、9回分の利益を1回の負けで失ってしまうこともある。勝率ではそれがわからないから、他のデータと複合的に判断する必要がある。
ドローダウンは、資産が目減りした時の下落率の事を指す。自動売買では成果が出るまでにある程度の期間がかかるものが多い。成果が出る前に強制ロスカットにならないようにするには資金管理が重要となる。その目安になるのがドローダウンだ。最大でどの程度の資金の目減りがあるのか、事前に知っておくことが必要だ。
今回は、実際に畠山さんが初心者のために特別に開発したEA「暁(Akatsuki)」を無料プレゼント。『マネーポスト』のホームページ(http://www.moneypost.jp)からダウンロードできるので、今すぐ、チャレンジしてみよう。
※マネーポスト2011年3月号