1月6日午前9時31分、帝王切開により、野田聖子議員(50)に2154グラムの男の子が誕生した。彼女が不妊治療を始めたのは41才のとき。体外受精14回、流産1回という経験を経ての妊娠・出産だった。
昨年5月、野田氏は7才年下の夫とともに渡米。現地の不妊治療クリニックで卵子提供を受けて、夫の精子との受精卵を自らの子宮に戻して妊娠した。帰国後は、2週間に1度の割合での定期健診が課されていた。通常の妊婦は1か月に1度だが、野田氏は50才を目前に控えた高齢妊婦だったからだ。
昨年8月5日、その定期健診で子供に異変が見つかった。子供の腹部に水たまりのようなものができていて、医師によると、肝臓が飛び出しており、しかもこの症状は染色体異常によって発生するケースが多いという説明だった。
その2週間後の定期健診ではエコー映像に映った子供の肝臓の膨らみは、夫妻の目にもはっきりわかるほどになっていた。病名は臍帯ヘルニア。へその緒の中に肝臓が飛び出した状態で、1万人に1人程度の割合で発生する疾患だった。
「どうしましょう。羊水検査をしますか?」
医師がそう尋ねてきた。羊水とは体内で子供を包んでいる無色透明の液体。胎児を守ると同時に、胎児の栄養補給源でもあり、胎児の代謝物が吐き出されたものでもある。そのため、羊水を検査することで染色体異常の有無などが出生前にわかる。
医師の言葉には、染色体異常だった場合、中絶も考慮するという意味が込められていたが、彼女には、中絶という意思は一切なかった。そのため、羊水検査はきっぱりと断った。羊水検査のような、赤ちゃんが胎内にいるときに先天性の異常があるかどうかを調べる出生前診断について、出産ジャーナリストの河合蘭さんが説明する。
「日本で一般的に行われているのは、超音波検査、羊水検査、母体血清マーカーなどです。マーカー検査は異常がある確率しかわからないため、超音波検査で染色体異常の可能性が高いと思われる場合、通常は羊水検査を受けることが多いですね。でもこの検査にもわずかですが、流産のリスクがあります」
※女性セブン2011年3月17日号