5才7か月の長男・智樹ちゃんを虐待したうえ、昨年3月、ついに「飢餓死」させた吉田眞朱受刑者(27)。さる2月24日午前、奈良地裁101号法廷で行われた、共犯者で事件発生後に離婚した元夫・吉田博被告(36)の第2回公判(裁判員裁判)に彼女は証人として呼ばれた。以下は、公判における博の弁護人と、眞朱のやりとりに関する、ジャーナリストの中尾幸司氏によるレポートだ。
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――性交渉の成功率は?(博には勃起障害があったという)
眞朱「10回に1回とか」
――うまくいかないと、どうなったの?
眞朱「暴言を吐きました」
――フニャチン、インポ、役立たずと。
眞朱「はい。いいました」
――殴る蹴るだけでなく、包丁を突きつけましたね?
眞朱「包丁を持ち出したことはあります」
夫への不満を智樹ちゃんに重ねる眞朱。博の弁護側冒頭陳述書にはこうある。
<眞朱は、長男の顔や表情が大嫌いな義母に似ていること、また喧嘩の際の博のうなだれる姿が長男のそれと似ていることをあげて、「この部屋に同じ顔をした人間はふたりいらん」などと時に発言していた。眞朱は、義母あるいは博に対する拒否感を長男に「投影」して、代償的な攻撃を加えていた>
眞朱は智樹ちゃんに充分な食事を与えず、自宅マンションのトイレや狭いロフトに閉じ込め、一日の食事は、ラップに巻いた細巻きのオニギリ2個と水だけになった。夫婦喧嘩の際には、何かというと智樹ちゃんに当たり散らし、「邪魔やな」「養子に出すか、施設に入れるかや」「どっか消えろ」などの言葉を情け容赦なくぶつけた。
2009年10月ごろには、智樹ちゃんの脱水症状が一段とひどくなり、ほどなく声を発することも、目を合わせることもなくなった。翌2010年1月ごろになると、ついに表情を失い、斜め下をぼんやり見つめるだけになっていたという。極度の栄養失調から重大な脳障害が起こっていたと考えられる。
そしてちょうど1年前の3月3日、水さえ飲めず、衰弱しきった智樹ちゃんの様子におびえた眞朱は、自ら児童相談所(以下、児相)に連絡。児相からの要請で救急車が駆けつけたものの、搬送先の病院で息をひきとった。
懲役9年6月の判決が確定した眞朱。溺愛したはずの長女に、母の記憶は残るまい。(「受刑者」「被告」の呼称略)
※女性セブン2011年3月17日号