ボヤキに立派な“箔”が付いた。
『チャイニーズドラゴン新聞』が創刊18年を記念して設立した「孔子文化賞」の栄えある第1回受賞者の一人に、楽天名誉監督の野村克也氏が選ばれたのだ。
「日中友好に尽力し、かつ孔子と論語の精神の普及に貢献した方」に贈られるこの賞。主催者には孔子の子孫もおり、野村氏は、昨年、野球理論と論語を重ね合わせた『野村の実践「論語」』(小学館刊)を出版したことが、“本場”の人間に認められた形だ。
「野球選手は無知無学。だからよく論語を交えながら教えたことがあったんですよ。そうすると賢く見えるんだ」と論語との出会いを語った野村氏。授賞式では、「孔子の言葉は2500年経っても残ってる。野村克也なんて2年前に引退したばかりなのに、もう消えちゃってるわ」と、久々のボヤキ節。
ちなみに論語には「子曰く、位なきを患えず、立つ所以を患う。己れを知ること莫きを患えず、知られるべきを為すを求む」(偉くならない、席をあたえられないと嘆く前に、人から認められる力を求めよ)という一節がある。論語を読み返し、孔子の精神に触れてみては。
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2011年3月18日号