春になりだんだんと気温が上がってくると、デリケートゾーンのムレによるかぶれも増加する。
「外陰部の皮膚は薄く、とても敏感です。きつい下着やぴったりした服でムレたり、ナプキンやおりものシートのつけっぱなしでかぶれてしまうことがあります。最初は赤くなってかゆみが出ますが、適切な処置をせずかきむしってしまうと、皮膚がゴワゴワに硬くなったり、色が黒ずんでしまう危険もあります」(東峯婦人クリニック・松峯美貴さん)
かゆみが発生したら、すぐに適切な対処が重要だ。
「体が温まるとかゆみが増すので、保冷剤などで冷やすのも一案。また、軟膏などの市販薬を利用するのもいいですね。ただし、それでもかゆみがおさまらない場合は婦人科で受診を。
また、きつい下着やぴたっとした服装はかゆみの出ている時期は避けたほうが無難です。ナプキンやおりものシートはこまめに交換することも大切。見た目に変化がなくても雑菌は繁殖しているので、2時間に1回は替えるのが理想的です」(松峯さん)
生活習慣を見直さないと再発しやすい
かぶれのほかに、デリケートゾーンのかゆみでポピュラーな症状が『膣カンジダ』だ。女性の約5人にひとりが発症し、推定で約1000万人の女性を悩ませているという。具体的にどんな病気なのか。
「外陰部の強烈なかゆみと、カッテージチーズのようなぽろぽろとしたおりものがいちばんの特徴。“カンジダ菌”というカビが原因で発症する病気です。
通常、膣内はデーデルライン桿菌という善玉菌やカンジダ菌が常在していますが、ストレスや疲労、抗生物質の長期服用などによって体の免疫力が落ちると、カンジダ菌が優勢になって“悪さ”を始めてしまうんです。デリケートゾーンを石けんでゴシゴシ洗うのもNG。善玉菌が減ってしまい、カンジダ菌が優勢になる危険があります。猛烈なかゆみですが、そのまま放置しているとかき壊してしまったり、お尻や太ももにまで症状が広がって皮膚が白く変色してしまう人も。症状を自覚したら、恥ずかしがらずに婦人科で受診してください」(松峯さん)
また、膣カンジダは再発率約70%というデータも。
「体調不良などの要因を取り除かないと繰り返してしまう人が多いですね。治療と再発を繰り返して半年間ずっと来院されていたかたもいます。再発を繰り返すようなら、まず生活習慣を見直して、規則正しい生活リズムを取り戻す心がけを。それでも再発してしまったら、再発なら市販の治療薬が購入できますので、1週間程度使用するのもいいと思います」(松峯さん)
※女性セブン2011年3月24日号