現代はまさに昇進とリストラが紙一重の時代。後ろ指さされることなく仕事人生を充実させ家族の生活を守る――そんな「幸福な出世」の法則について検証してみた。
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ヘッドハンターとして3000人を超える人々と面談した、ストラテジックパートナーズジャパン社長の兼本尚昌氏が語る。重要なのは以下3点だ。
●服装を気にし、社内のエラい人をマネする
身だしなみは悪いよりいいに越したことはない。しかし、奇をてらいすぎると失敗してしまう。
「出世する人の服はほとんどコンサバ系です。ファッションで他人と違っているのは、個性とは見られず、デメリットのほうが大きい。服装もきちんとしているのは当然ですが、その業界のドレスコードを逸脱していると上の人間に気に入られない」
髪型にも気をつけたい。
「自社のエグゼクティブがどういう髪型をしているかをイメージしたほうがいいでしょう。自分の出世を左右する立場の人たちに、髪型で気に入られないのは得策ではありません」
社長がサスペンダーをしていたら自分もしてみる。本気で出世を望む人はそこまで徹底するという。
●年賀状よりもクリスマスカード
一方で、手紙や物のやりとりで他人に差をつけて相手に深い印象を与えることは有効だという。
「年賀状は誰もが出しているし、多い人は何百枚ももらうため、印象に残りにくい。それより、クリスマスカードのほうが相手の心に届く。人脈が豊富な人ほどそういう一手間を惜しみません」
カードもできれば郵送するのではなく、時間の許す限り直接届ければ相手の心を動かせるものだ。
●記念日にプレゼント
「上司や部下の妻や子供の誕生日にさりげなくお祝いを贈る。そういう個人的な関係がないとすぐにクビになる時代でもあります。だから欧米人はフェイスブックで上司の趣味や記念日をチェックしているのです」
ホームパーティに呼ばれるような関係性を築くことが最終目標だ。週末に会っても苦にならない人だからこそ一緒に仕事をしたいと思うはずだ。
※週刊ポスト2011年3月18日号