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共同購入クーポンでの旅行購入には「衝動買い」的な面白さも

旅行にも新しいスタイルが次々誕生している。旅館の「0泊2食」プランやクーポン共同購入サイトなどがそれだ。お得に使いこなすテクニックを旅行ジャーナリストの村田和子氏が解説する。

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近場の旅の新しいスタイルとして、旅館の「0泊2食」プランに注目したい。これは宿の日帰りプランで、11時頃にチェックインをして、昼食と夕食を食べて20時前後にチェックアウト、というパターンが一般的。温泉旅館の日帰り利用との違いは、チェックアウトまで客室を自由に利用でき、「宿での滞在」が主目的となっている点だ。

「0泊2食」プランは一昨年の夏から出始め、現在は全国的に広がっている。もともとは平日の客室稼働率を上げる策として生まれたものだが、ペットや介護の都合で夜は家を空けにくい人や、家庭の主婦など、旅をあきらめていた人の支持を得て、今や大人気となっている。寝ている時間を除けば、滞在時間は泊まりとさほど変わらないのに、料金は半額程度。1日ゆったりと客室や館内施設で過ごして、日帰りでも旅気分が満喫できる。憧れの高級旅館やホテルの「お試し利用」としてもお勧めだ。

お得な旅を実現する新しい手段として、「共同購入型クーポンサイト」も見逃せない。制限時間内に一定の申込者が集まれば、通常よりも大幅に安く商品やサービスを購入できるクーポンを販売するサイトのことで、昨年日本に上陸した「グルーポン」が、その代表格だ。事前決済で、利用期限などの制約があるぶん、割引率も高くなっており、ホテル・旅館の宿泊や、各種体験プランなど、旅行関係のクーポンも急増中だ。

いつどんなクーポンが発売されるかわからないため、共同購入型クーポンサイトは計画的な旅には向かないが、「旅の衝動買い」的な面白さがある。クーポンを目にして「この価格なら手が届く」「行ってみたい」と心が動いたということは、自分の中に潜在的なニーズがあったということ。たとえ衝動買いであっても、意外と失敗は少ないのではないか。旅行をしたいと思いながらも先延ばしにしてしまうような人には、思い切って旅立ついい機会になるはずだ。クーポンがきっかけで、新しい地域や旅の楽しみ方と出合う、という発見もあるだろう。

ただし、共同購入型クーポンサイトは国内に現在100数十以上も乱立しており、今後淘汰されるサイトが出てくることも十分考えられる。クーポン内容だけでなく、信用できるサイトか(財務基盤や母体がしっかりしているかなど)をきちんとチェックした上で利用したい。

また、旅行関係のクーポンには「平日のみ利用可能」「繁忙期は利用不可」といった条件が付いているものもある。有効期限や利用条件をしっかり確認してから購入しよう。宿泊などのクーポンは希望日に確実に使えるよう、予定を決めたら早めに予約を入れておくことも大切だ。

※マネーポスト2011年3月号

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