人と話しているとき、ため息をついたときに自分の口臭が気になるという人は多い。天川デンタルオフィス外苑前の天川由美子院長は、口臭の原因は主に3つに大別できるという。
「口臭には、生理的なものと飲食物によるもの、病気によるものの3種類があります。起床時や空腹時には口のにおいが強まりますが、これは生理的なものなのでとくに気にする必要はありません。にんにくなど香りの強いものを食べた後に起こる口臭は、きちんと歯磨きをして消すのがマナー。その他に、胃腸や鼻の疾患、糖尿病など病気によって起こる口臭があります」
飲食物以外の口臭の大半は、だ液量の減少によって引き起こされると天川院長はいう。
「だ液には抗菌・洗浄・円滑作用などがあるので、分泌量が減ると口腔内が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。それが、虫歯や歯周病、口臭の原因となります。加齢とともに免疫力や抵抗力が落ちると、だ液の量も減少するので口臭がきつくなりがちなのです」
また、更年期の女性は女性ホルモンの乱れによって口臭が引き起こされることも。
「個人差はありますが、生理中や妊娠中にだ液が少なくなり、口臭が強くなったり歯茎が腫れたりする人もいます」(天川院長)
さらに、花粉症に苦しむ人が増えるいまの季節、とくに口臭が強まる人が多いという。
「花粉症治療薬や風邪薬などには、だ液の分泌を低下させる成分が含まれているものもあるので、常用している人は注意が必要です」(天川院長)
では、なかなか自覚しづらい自分の口臭を、どうやってチェックしたらいいのだろうか。
「もっとも簡単なセルフチェック法は、コップに息を吐いてかいでみること。歯磨きの後、歯間に通したデンタルフロスのにおいをかいでみることも有効です」(天川院長)
口臭を予防するには、毎日の生活の中で小さな気配りをすることが肝心だ。
「歯ブラシの毛が傷んでくると細部まで磨けず、細菌が繁殖しやすくなるので月に1度、新品に交換しましょう。プラスチック製の義歯や詰め物の劣化も口臭の原因となるので要注意です。
両頬骨の下のだ液腺を指で押したり、舌先で左右の頬、上下の唇の内側などをぐるりとなめる“舌エクササイズ”を1日5回程度繰り返すのも、だ液の分泌を促進する効果大。キシリトール100%のガムを噛むのもおすすめです。ただし、虫歯や歯周病の場合は治療が必要なので口臭が気になるかたは歯科医院でご相談ください」(天川院長)
※女性セブン2011年3月24日号