夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、ご主人(58歳)が不動産会社勤務の奥様(57歳)。ご主人は子供時代に集めたご主人(58歳)が不動産会社勤務の奥様(57歳)。ご主人は子供時代に集めたブリキの車の玩具を宝物にしているそうです。
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自分の子供たちにも絶対に触らせなかったのに、長女が結婚し、孫が生まれたら、「孫こそ宝だ。物心ついたらオレの家宝を孫に譲る!」が口癖でした。
そして、孫の3歳の誕生日、ブリキの車をプレゼントするという主人に、「子供には積木とかのほうが教育的にもいいと思うんだけど」と助言をしたんですが、「いや! 絶対に喜ぶはずだから!」と大張り切り。
そして、孫の前で30台のブリキの車をきれいに並べたんですが、孫が突然、エイッと足で踏みつけ、数台の車がペシャンコに! 主人は「な、何をするんだ!」と逆上して、孫のほっぺをパチーン! 娘は「パパ、何すんのよ!」と怒るし、孫は泣き叫びながら「ジージなんか大嫌い!」。
車をダンボール箱に戻しながらしょげかえる主人は、私に「やっぱり、お前のいうように積木にすればよかったかも」とぽつり。確かにブリキと違って、積木なら踏んでも壊れなかったのに。ブリキの車だけでなく、孫との仲まで壊れた主人は、蒐集品で収拾のつかないことになってしまいました。
※週刊ポスト2011年3月25日号