『ホンマでっか?TV』(フジテレビ系)で明石家さんま(55)にいじられる“尾木ママ”として、すっかりお茶の間のアイドル的存在になっている尾木直樹さん(64)。実は、教育問題、メディア問題などで講演活動を行う大学教授であり、教育評論家でもあり、BPO(放送倫理・番組向上機構)青少年委員会の副委員長を務めたこともある。このほど、『尾木ママの「叱らない」子育て論』(主婦と生活社・1000円)を出版した。
「何十年とテレビに出演してきたけれど、バラエティーには一度も出たことがなかったんです。依頼も来なかった。それが、2年前に『さんま・福澤のホンマでっか?ニュース』の特番に出ることになって。でも番組タイトルからして、情報番組だと思ったんです。司会も福澤朗さん(47)だったから。で、その話を夕飯のときに家族にしたら“お父さん、それは大変よ”といわれたんです」
その番組が好きでよく見ていた家族は、人を押しのけてでもしゃべらなくてはいけないことを知って“絶対に向かない”と思ったそうだ。後日、家族が録画した番組を見て「これは大変だ!」と頭を抱えたという。
「でも、いまさらキャンセルもできないからと、番組出演対策として、みんなが話している間に割ってはいっていくタイミングを家で練習しました(笑い)」
いかにも生真面目な学者先生らしいが、その練習に大きく貢献してくれたのはやはり家族だった。
「トーク番組はしゃべってナンボ。他の人が何か話しているときに、教育の話が出たらすぐにチンと鳴らして割ってはいるようにといわれ、何度も練習しました(笑い)」
テレビを見ながらお茶わんをチンチン鳴らす、その特訓の成果が出たようで、特番では大いにウケた。また、その口ぶりからさんまに「尾木ママ~」と呼ばれるように。
「ぼくは家族もいるし、おネエじゃないのといっても“ママ~”ですからね(笑い)」
彼にいじられたことで、そのキャラクターのユニークさに白羽の矢が立ったようで、特番だけでなくレギュラーにも出演が決定。そのおかげか、最近では、講演会の聴衆層がすっかり変わってきたという。
「それまでは学校の先生や教育関係者が多かったんですが、一般のお母さんたちが子供を連れて聴きにきてくれるようになりました」
尾木ママがすっかり定着してから、ブログのアクセス数も驚異的に増えた。これまで、いちばん多かった日で46万5000のアクセスがあった。
「その日、男性では、杉浦太陽くん(30)に次いで2位でした。都知事選に出馬したら当選しそうな勢いでしょ(笑い)」
※女性セブン2011年3月31日・4月7日号