東北関東大震災発生後、被災地だけでなく、都内のコンビニやスーパーでも食料品やトイレットペーパー、ティッシュペーパーなどの品薄状態が続いている。このような状況になっている理由について、流通ジャーナリストの金子哲雄さんは、物流がうまく機能していないことを指摘する。
「物流センターは高速道路沿いにあることが多く、現在関東近郊の高速道路は通行止めになっているケースもある。それに緊急車両が優先的に通行しているので、スーパーやコンビニへの搬入トラックが首都圏にはいりにくくなっているんです。安定供給が難しくなっている一面がありますが、それも1か月くらいの我慢だといわれています。むやみに買いだめをするのは絶対にやめましょう」
品薄以上に、今後は一部食品の値上がりを気にすべきと金子さんは続ける。
「まずは鮮魚ですね。ご存じのように今回の被災地には日本有数の漁港が数多くあり、必然的に国産の魚の供給は減りますから、全体的に値上がりがあると思います。塩釜市のように、練り物の加工品工場が多い地域も含まれているので、かまぼこなどの練り製品も可能性が高いですね。
それから夏野菜全般。東北地方で生産されるレタスやきゅうりなどの野菜が市場に並ぶ時期は、全般的に高騰するでしょう。時期としてはおそらく8月下旬から9月くらいですね。また、フルーツはもちろん、ジャムなどの加工品の値上がりもあると思います」
※女性セブン2011年3月31日・4月7日号