国内

医療関係者すらボランティア受け入れ難しい 被災地の混乱

 1995年阪神淡路大震災におけるボランティア活動をきっかけに設立された、全国訪問ボランティアナースの会・キャンナスは仙台の団体より要請を受け、第一陣として3月17日未明の出発で本部のある神奈川から仙台へと向かう準備を進めていた。

 しかし出発予定の直前、要請元から
「目の前のことに追われており、いまだにボランティアをコーディネイトする体制がない。食料が足りていないため、食料を持って入っても、混乱する可能性がある。入ったボランティアも、あまりの食料のなさに引き返している人もいる状態。2、3日待機して欲しい」
との連絡が入り、現地情報を集めながら再要請を待っているという。

 当然のことながら現地へ向かうにあたり、自分たちの移動や滞在に必要な物資を用意している状態でも、「来てもらっても、行き先などを指示する余裕がない」「活動してもらう拠点の調整がつけられない」といった事情があるようだ。

 また現地にいるキャンナス仙台中央に所属する看護師によれば、「近所の小学校に個人的に申し出たら、『とてもありがたい、後ほど連絡をする』ということで連絡先を伝えたものの、何日も連絡がない。翌日には日赤が入ったようなので、参加するにはチームでの活動の必要性を感じた。個人を受け入れられる状況にはないようだ」といった情報も入っており、コーディネーター不在のため、現地在住の看護師さえも活用できていないというのは、かなり深刻だ。

 現地の指示を待って、継続的な支援準備を進めているキャンナスだが、支援をする側にも厳しい状況があるという。

「今回、関東もかなり被害を受けており、また東北からの患者受け入れは、関西地方にも及んでおります。関西の病院に勤める看護師さんも、行きたい、でも、職場から離れられないという声が出ており、どの程度の規模で対応が可能になるのか、現段階では不明です。情報は随時、キャンナスパワー(キャンナスのメーリングリスト)に流していくので、関心がある看護師の方は、ぜひメーリングリストに登録して欲しい」と、有資格者の参加も呼びかけている。

 もちろんエリアによって状況は異なるはずだが、本来であれば必要な人材である看護師や医療関係者ですら、ボランティアとして受け入れが難しいケースがあるということで、ボランティアとして現地に向かおうをしている人は、事前に自治体などの関係機関に連絡して、受け入れ可能かどうか確認をしたい。

関連記事

トピックス

(左から)豊昇龍、大の里、琴櫻(時事通信フォト)
綱取りの大関・大の里 難敵となるのは豊昇龍・琴櫻よりも「外国出身平幕5人衆」か
週刊ポスト
セ・リーグを代表する主砲の明暗が分かれている(左、中央・時事通信フォト)
絶好調の巨人・岡本&阪神・サトテルと二軍落ちのヤクルト村上宗隆 何が明暗を分けたのか
週刊ポスト
過去のセクハラが報じられた石橋貴明
とんねるず・石橋貴明 恒例の人気特番が消滅危機のなか「がん闘病」を支える女性
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《広末涼子逮捕のウラで…》元夫キャンドル氏が指摘した“プレッシャーで心が豹変” ファンクラブ会員の伸びは鈍化、“バトン”受け継いだ鳥羽氏は沈黙貫く
NEWSポストセブン
過去に共演経験のある俳優・國村隼(左/Getty Images)も今田美桜の魅力を語る(C)NHK連続テレビ小説「あんぱん」NHK総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
《生命力に溢れた人》好発進の朝ドラ『あんぱん』ヒロイン今田美桜の魅力を共演者・監督が証言 なぜ誰もが“応援したい”と口を揃えるのか
週刊ポスト
大谷翔平(左)異次元の活躍を支える妻・真美子さん(時事通信フォト)
《第一子出産直前にはゆったり服で》大谷翔平の妻・真美子さんの“最強妻”伝説 料理はプロ級で優しくて誠実な“愛されキャラ”
週刊ポスト
「すき家」のCMキャラクターを長年務める石原さとみ(右/時事通信フォト)
「すき家」ネズミ混入騒動前に石原さとみ出演CMに“異変” 広報担当が明かした“削除の理由”とは 新作CM「ナポリタン牛丼」で“復活”も
NEWSポストセブン
万博で活躍する藤原紀香(時事通信フォト)
《藤原紀香、着物姿で万博お出迎え》「シーンに合わせて着こなし変える」和装のこだわり、愛之助と迎えた晴れ舞台
NEWSポストセブン
川崎
“トリプルボギー不倫”川崎春花が復帰で「頑張れ!」と声援も そのウラで下部ツアー挑戦中の「妻」に異変
NEWSポストセブン
最後まで復活を信じていた
《海外メディアでも物議》八代亜紀さん“プライベート写真”付きCD発売がファンの多いブラジルで報道…レコード会社社長は「もう取材は受けられない」
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《“イケメン俳優が集まるバー”目撃談》田中圭と永野芽郁が酒席で見せた“2人の信頼関係”「酔った2人がじゃれ合いながらバーの玄関を開けて」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! ゴールデンウィーク大増ページ合併号
「週刊ポスト」本日発売! ゴールデンウィーク大増ページ合併号
NEWSポストセブン