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大震災 津波をベッドの下で耐え続け生還した猫の「ウリ」

多くの被害をもたらした、東北関東大震災。仙台市宮城野区の主婦・S子さん(46)は夫・Nさん(45)とともに自宅で津波の被害にあった。多くの家が流されるなか、2階に駆け上がりなんとか無事だった。

「最初の津波で1階は冠水して、この家に私と夫は取り残されちゃったんです。第1波より大きい第2波が来ることもあるから、もうどうしようって、慌てて長男に“SOS”のメールを送ろうと思ったんです。でも指が震えてなかなか打てませんでした」(S子さん)

<家に救助来るように連絡して 119>

受け取った長男のTくんは何度も何度も「119」をコールしたが、つながらなかった。心配して学校の先生に相談した。すると、「全員生きてることは間違いないから安心しろ」と先生から勇気づけられた。

そのころ次男のKくんは、孤立した中学校の体育館で家族と連絡のとれない他の生徒や先生たちと不安な2日間を過ごしていた。水が引いてきたのを確認して、一刻も早く会いたかった家族のもとへと帰ってきたのだ。

「家族全員が無事で本当に安心した」

と語る父・Nさん。一家の愛猫2匹も無事だった。地震のとき近くにいた猫のクーは抱きかかえて一緒に2階に避難したが、一緒に飼っていた猫のウリは見つからなかった。

しかし、恐怖に耐えているかのように2階のKくんのベッドの下でじっとしているのが、この日、見つかったのだ。2人の子供と2匹の愛猫が戻ってきて、一家の復興は始まった。

※女性セブン2011年3月31日・4月7日号

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