震災直後から首都圏のスーパーやコンビニからはモノが消えた。この品不足を生き延びる心構えを、経済ジャーナリストの荻原博子氏に聞いた。
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災害時こそ、情報をよく精査して冷静になることです。首都圏では現在、パンや米、水、懐中電灯、ガソリン、電池などが売り切れ不安が広がりますが、果たして本当に物不足なのでしょうか。
パニックに陥った人々が買い占めに走り、元々異常気象や世界情勢の不安定から高かった物がより高くみえる。そこで今後の値上がりを見越して、さらなる買い占めが起こるのです。
当然店頭からは、様々な品物が消えます。この連鎖が現在の物不足の実態でしょう。一連の不安を助長しているのが、ネットで流れるデマのたぐい。ある程度の保存食の買い置きは必要ですが、鵜呑みにせず信憑性を確かめるべきです。
今後電気や魚介類が値上がりし、交通事情で農作物が滞ることが考えられます。ですがかりに首都圏直下型の地震が起きても、2日しのげれば援助の手が届き始めるといわれています。ガソリンも同様。普段から車に乗るたびに満タンにしておくことも必要ですが、今回のように入手できないなら自動車をやめて自転車を使うほうがいい。
※週刊ポスト2011年4月1日号