そんじょそこらの小娘とは存在感が違った。テレビ各局が全精力を注いだ災害報道で、一番目立っていたのは52歳の大御所・安藤優子だった。
震災後、不眠不休でニュースを読み続け、その後、フジテレビマークの白い防災ヘルメットを被って自ら被災地入り。そのプロ根性には誰もが舌を巻いた。
フジテレビの報道スタッフがいう。
「安藤さんは“私が行く!”と自ら手を挙げ現地入りしたんです。“何かあったら一大事だ”とたしなめるスタッフもいたようですが、意志は固く、止めることはできなかった。彼女の存在が大きかったのか、フジは災害報道でNHKに次ぐ高視聴率を総じて記録している。さすがですよ」
と、フジテレビは安藤サマサマの模様。
本人も生き生きしているし万々歳かと思いきや、現場では周囲が困惑する場面もあったとか。
別のキー局のスタッフがいう。
「災害現場での安藤さんは、あまりにもテンションが上がりすぎて、周りからは“楽しんでるんじゃないか”って陰口まで上がっていました。“あんなに流されています!”とレポートもスポーツ中継みたいに聞こえましたね。オマケにヘルメット姿なのに超がつくほど高級そうなコートとブーツを身に着けていて、泥だらけの被災地で否応なしに目立っていました。久々の現場で興奮しているのは分かるけど、被災者の心情を思うといかがなものか……」
安藤が「やり過ぎ」なほど力を入れてしまうのは、フジに後進が育っていないからだとフォローする声もある。
フジのニュース番組関係者がいう。
「安藤さんが目をかけていた長野翼アナ(30)が寿退社することになって、フジの報道アナは壊滅状態。有望な20代は、『ニュースJAPAN』の秋元優里アナ(27)くらい。長野アナの後を引き継ぐ大島由香里アナ(27)なんて、災害レポートの時、慌てて“規模”という字を“さがみ”と読み間違えていた(笑い)。安藤さんがハッスルしたのは若手を鼓舞するためでしょう」
「以上、現場からでした」というあの決めゼリフは、後輩たちを奮い立たせたに違いない。
※週刊ポスト2011年4月1日号