今回の東北関東大震災で、宮城県沖、茨城県沖のふたつの地震の同時発生は、改めて“いつ起きるかわからない”地震の怖さを証明した。“そのとき”どう行動すべきか、また、どう備えておくべきか。大阪市の消防署長や防災課長を歴任したK&T防災研究所所長の森田武さんが、シチュエーション別に解説してくれた。
まず、いちばんけがをしやすいのは、部屋の中にいるケース。
「蛍光灯や本棚など、家の中にはとにかく危険なものが多い。部屋のなかで揺れを感じたら、まず頭の上から降ってくるものがないか確認し、身の回りを見渡してください。机の下など安全な場所があればそこに身を隠すのがベストです」(以下、「」内は森田さん)
安全な場所がなければ頭を座布団や本などで隠す。このとき、窓ガラスが近くにあれば必ず離れるべきという、
「窓ガラスにひびがはいると、激しい横揺れや、家の外と中との気圧差で割れやすいので、5メートルは離れましょう」
では、車を運転しているときに地震速報を聞いた場合はどうするべきか。
「あわてて急停止すると、追突されかねません。ハザードランプを点滅させて、ゆっくりと道路の左側に寄せ、車から降りてください」
揺れがおさまったら、車内に戻りラジオで状況を確認。津波が迫っていたら高台など、適切な避難場所へと向かおう。
「車を置いて避難する際は、道路が復旧した際に車を他の人が移動できるようにキーをつけたままに。車検証は持参し、車の中には自分の連絡先をメモとして残しておきます」
電車に乗っているときは、つり革につかまると大きく体を振られることになる。「手すりや荷物置きの鉄棒をしっかり持つとよいでしょう」
仙台市で被災した主婦(47)はこう話す。「大きな揺れが来たと思ったらすぐに停電しました。テレビをつけることも電話をかけることもできず、いま何が起きているのかわからず、ただ家で震えていました」
震災地ほどライフラインが寸断され情報がはいりにくい。森田さんは次のようにアドバイスする。
「手回し充電タイプの携帯ラジオをもっていれば、電気の供給と関係なく情報を入手することができます。取り出しやすい玄関などに保管しておくとよいでしょう」
※女性セブン2011年3月31日・4月7日号