「大切なのは、才能よりも修練と勇気」「言葉以上に、感情が思いを伝える」「好奇心ほど、人を生き生きさせるものはない」。いつまでも若々しく好奇心いっぱいの黒柳徹子さんの人生の名言がちりばめられたエッセイ集『徹子ザ・ベスト』(講談社、1575円・全270ページ)が発売された。この本を3人の読書好きに読んでもらい、それぞれに感想を聞いた。
まずは、月に30冊近くを読破する「活字中毒」という読者の感想。
「イラストレーターの和田誠さんの家の飼い猫があまりに騒がしいので、とうとう徹子さんは猫をつかまえ、じっと顔を見つめて『あんたは幸せに生活してるんだから、ちゃんと大人しくしなきゃだめ』とお説教した。以来、その猫はお行儀よくなったという。なんだかおかしくて、ちょっと不思議。本書には、そんな徹子さんらしいエピソードが満載。もはや年齢を超越した、チャーミングでパワフルな徹子さんにあやかりた~いという人におすすめの一冊」
続いての読者は、小説よりもエッセイ、特に旅行ものが好きというOL。
「いくつになっても夢を失わず、前向きに生きていく徹子さん。新幹線の車内で騒ぐ子供を注意するにも、彼女らしさのやさしさが表れていていい。巻頭に出てくる平子理沙風のメイクも徹子さんによく似合っていてキュートだった。人生は楽しんだもの勝ち。きっとご苦労もあっただろうが、それをパワーに変え、キラキラと輝くその姿は頼もしく、見習いたい」
本はじっくり時間をかけて読むという40代、1児の母の読者は、 「一言でいうとやっぱり素敵。そしてつくづく芸術家でエンターテイナーだと思う。個性を大切にして、少女のような心でチャレンジされる姿はとてもチャーミング。決して無理な若づくりをするのではなく、好奇心を持って楽しんで生きておられるから、あんなに若く美しいのだと思う、この本からヒントをもらい、年を重ねるのが楽しくなった」
ちなみに、それぞれが読了までにかかった時間は、順に、1時間45分、1時間半、1時間半だった。
※女性セブン2011年3月31日・4月7日号