「最強国家ニッポン」を造り上げる設計図を提唱してきた大前研一氏が、いまこそ「前を向いて新しい国を造ろう」と力強いメッセージを送る。
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復興資金は最低でも2兆円くらいかかるだろう。政府は国民に、1年間だけ消費税率を1%上げることをお願いする。必ず1年間の時限立法にすると約束すれば納得してもらえるだろう。
これも今すぐにやるからこそ、国民が受け入れてくれる可能性があるし、逆に連帯感は高まる可能性もある。
その場合に大事なことは、国民に対して、「この税金は東北を新しく造り直す資金です。皆さんがどんどんお金を使ってくれれば、その分、復興資金が増えます」と訴える。
災害で委縮した国民経済も、それで少しは回復する効果がある。災害を奇貨とする、といえば被災者には申し訳ない言い方かもしれないが、これを教訓として、もっと良い国土を造る意気込みこそが求められている。
そして一番大切なのは、これを政治のリーダーシップで、少しでも早く打ち出すことである。
※週刊ポスト2011年4月1日号