東京ディズニーランドとディズニーシーでは、5万人以上が園内で待機を余儀なくされた。その間のキャスト(従業員)たちの姿に、ゲスト(客)からは多くの感動の声が寄せられた。
「あんなに激しい揺れにもかかわらず、ショーに出ていたミッキーマウスやダンサーたちは、終始笑顔で手を振り続け、ゲストに不安を与えないようにしていました。別のアトラクションでは、中吊りになっていたアリエル(人魚のキャラクター)が、救出されるまでの間ずっと笑顔を絶やさなかったそうです」(30代・主婦)
キャストは自らが建物の側に立ってゲストを誘導。ブランケットやタオル、カイロなど、できるかぎりのものを提供した。
「キャストさんのせいじゃないのに『ご迷惑をおかけしております』と頭を下げ、トイレに行くときには『まだ安心できませんので、できるだけ早く戻ってきてくださいね』と心配してくれた。安心して泣けてしまいました」(女子大生)
薄着のユニフォームのまま、不眠不休で頑張るキャストたち。彼らを励ましたのはゲストたちだった。
「小さな女の子2人連れのお母さまが『お姉さんも大変ですね。半袖で寒いでしょうに、大丈夫ですか?』と声をかけてくださり、そのとき初めて自分が半袖のままだと気づきました。そして女の子たちが鳥肌のたった私の腕を、一生懸命小さな手でさすってくれました」(キャストのひとり)
※週刊ポスト2011年4月1日号