【書評】『ロング・グッバイのあとで』(瞳みのる/集英社/1260円)
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1971年。沢田研二をボーカルとしたザ・タイガースの解散コンサート後、宴会が開かれた。〈他のメンバーは、その後三十七年もの永い別れになるとは思っていなかったようだ。僕にはこれが最後の晩餐となることが分かっていたし、そのつもりでいた〉。
ドラムの瞳みのるはその夜、トラックに全ての荷物を積み故郷に帰った。その後芸能界との接触を一切絶ち、慶應義塾大学を経て慶應義塾高校の教師となっていた著者がその半生を記す。
※週刊ポスト2011年4月1日号