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都知事選政見放送で人気 外山恒一氏が革命家養成バーを開店

バーカウンターの中に立つ外山氏(右)

3月24日、東京都知事選が告示され、石原慎太郎現東京都知事や前宮崎県知事の東国原英夫氏、ワタミ創業者の渡辺美樹氏、発明家のドクター・中松氏ら11人が立候補をした。さて、都知事選と言えば毎回多彩な人材が出ることで知られるが、2007年の都知事選においてネット上で圧倒的な存在感を示したのが「政府転覆」を掲げて出馬をした外山恒一氏である。

政見放送では「スクラップアンドスクラップ」や「私が当選したらヤツらはビビる! 私もビビる!」と発言し、YouTubeで何度も再生され、大いに話題となった。そんな氏は都知事選についてどう考えているのか。あと、最近何をやっているのか? 3月18日に福岡市内でバー「ラジカル」を開店した外山氏に聞いた。

――都知事選が始まっていますが、外山さんは今回、出ておられないようですが……。

「そう思われるのも仕方がありません」

――思われるって、実際出てないじゃないですか。

「はたして本当に出ていないのか、判断するのはまだ早いですよ」

何を言っているのか、いまひとつ意味不明である。これが「泡沫候補」というものなのだろうか。

――外山さんの新しい政見放送を心待ちにしていた人も大勢いると思うのですが?

「選挙に出なければ政見放送をやれないというのは、常識に縛られた一般人の貧困な発想です」

――そ、そうですか。すみません。

「たしか政見放送は、選挙が始まって二、三日目の早朝に一回目をやるんですよね。前回はそうでした。前回の私のアレをきっかけに、政見放送の面白さに気づいた諸君も多いはずです。話題になってから後追いするより、今回は最初から早起きして、どんな政見放送が飛び出すか、リアルタイムで鑑賞してみるのもいいんじゃないでしょうか」

――しかし選挙に出ていない外山さんの政見放送は流れないでしょう?

「きっとつまらない政見放送ばかりで、諸君は改めて私の偉大さを思い知ることになるでしょう。私がオススメするのは、前回もそうでしたが、今回もおそらく『2ちゃんねる』などに、政見放送を見ながらあれこれ議論する、いわゆる実況中継のスレッドが立つはずですから、それをチェックしながら見ることです。そうすれば誰かカンのいい人が、私が今回の都知事選にも独自のやり方で介入していることに気づいて書き込んでくれるでしょう。おっと、これ以上のことは今は言えません」

――よく分かりませんが、とにかく何かやってくれる、と?

「革命家は人民の期待を裏切りません」

――最近は何をされているんですか? その……「政府転覆の恐ろしい陰謀」は今も着々と進行中なんでしょうか?

「私は都知事選の以前も以後も、普段は九州で活動しています。2008年の秋に、福岡に「革命家養成塾」というのを開設して、後進の育成に力を入れていました」

――革命家養成塾ですか……。失礼ですが、そんな恐ろしげな塾に入る人がいるものなんですか?

「主に都知事選で私のことを知ったという若者が、これまでに10数名、全国各地から入塾しています。ただ中途で脱落する者も多く、半年間のカリキュラムを終えて卒塾したのは5、6名ですが」

――脱落者が多いというのは、そんなに厳しい塾なんですか?

「いえ。革命家として最低限知っておかなければならない、左右の革命運動史や、音楽や映画や演劇や文学やの文化運動史に関する知識を、ただひたすら『詰め込み教育』しているだけです。政見放送のイメージで、もっと派手なものを期待して来てみると、意外と普通の地味な毎日なので、アテが外れたと去っていく者が多いのです。地味な努力を積み上げてこそ、派手なこともちゃんとやりきれるようになるということが理解できないんでしょう」

――無事卒塾したという方々は、今どうされているんですか?

「そのまま九州に残って、革命運動に挺身してくれていますよ。さすが私が鍛えただけあって、優秀な若者たちばかりです」

――具体的にはどのような活動を?

「そうですね。最近のことで言いますと、福岡市内にバーをオープンしました。西新という学生街にあって、店名は『ラジカル』です」

――外山さんもそちらに顔を出されるんですか?

「というより私が毎晩カウンターに立って接客しています」

――あ、そうなんですか。繁盛していますか?

「まだオープンしたばかりなんです。今月18日にオープンしました。これからもっと宣伝して、そういうバーができたということを浸透させていくつもりです」

――しかしどうしてまたバーなんかを……?

「革命家養成塾ではやはり敷居が高いようなんです。遠方からいきなり九州に移住して、半年間勉強して、その後も九州内にとどまって共に活動するというのは、かなりの決意を要するようです。ならばもう少し敷居の低い、とりあえず客としてお金を払って酒を飲みながら、私と直接いろんな話ができる場を設けて、つまり『下見』みたいなこともできるようにした方がいいだろうと。もちろん興味本位で来ていただいてもかまいません。店の売上はそのまま我々の活動資金になりますから、単に客として来てくれるだけでも大いに助かります」

――今後はそのバーが外山さんの主な活動拠点になるということですか?

「バーは一般に広く開かれた場として、気軽に入れて、普通の飲み屋ではタブーであるような政治談義なんかもできて、ある種の諸君にとっては非常に居心地のいい場所になるはずです。常連客の中からそのうちもっとしっかり勉強して自分も本格的に革命運動に参加したいという人が出てくれば、塾に入ってもらいます。だから塾は今後も残します。

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