FX(外国為替証拠金取引)はいまや代表的な投資商品といってもよい状況だ。しかし、なかなか利益が出せないトレーダーが多いのも事実。そんな中、約1年で資金を3倍にした投資家がいる。サラリーマントレーダーのトラリピ犬さんだ。しかも、ほとんどほったらかしの状態でOKとか。その投資法とはいかなるものなのか、直撃取材した。
トラリピ犬さんは現在25歳で社会人2年目のサラリーマン。2009年10月に始めたFXで元手150万円が約550万円まで増えた、という実績の持ち主だ。しかもトレードに使う時間は1週間にたった10分だけ。
「最初に設定したあとは基本的にほったらかしで、週に1度、注文が成立したかどうかチェックするだけなんです。高度な分析も必要ありません。なかなか信じてもらえませんけどね(笑)」
FXは経済指標をマメにチェックしたり、チャート分析を一生懸命やってもなかなか勝てないのが普通だ。それがほったらかしで資産を増やせると聞いても、なかなか信じられないのも無理はない。
その驚異的な投資法はどんなものなのだろうか。 トラリピ犬さんが利用しているのは、マネースクウェア・ジャパンだけが提供している自動発注機能「トラップリピートイフダン」、通称「トラリピ」だ。
最初に売買の条件を設定して罠(トラップ)を仕掛けておけば、自動的に新規注文と利益確定が行なわれる仕組み。一度利益確定が行なわれても、条件が揃えば何度でも新規注文と利益確定が繰り返される。 トラリピ犬さんは豪ドル/円の通貨ペアをメインにしているが、例えば「1豪ドル=買って、50銭上がったら利益確定をする」という設定をする。その場合、為替が1豪ドル=80円なれば自動的に新規発注が行なわれ、80円50銭になれ確定される。同じレートになれば何度でも新規注文と利定が繰り返される。
ただ、注文が1本だけではなかなか罠にかからない。そこでトラリピでは、同じ仕組みの注文を一定間隔で10本、20本と設定しておく。それにより為替が変動するたびに、コツコツと為替差益が積み重なっていくというわけだ。
設定は「買い」と「売り」のどちらもできる。「豪ドルも最初は『買い』だけで実践してのですが、昨年の2月に『売り』も組み合わせるようになってから利益が増えました」
ただし、「売り」の場合はスワップポイントを支払う必要があり、保有期間が長くなるとリスクが大きくなる。トラリピ犬さんは「買い」は50銭刻みで新規注文をいれているのに対し「売り」は1円間隔にしている。保有本数を「買い」2に対し「売り」1にすることで、スワップポイントの支払いが膨らまないようにしている。
さらに南アランドの「買い」も組み合わせている。「豪ドルはメジャー通貨でありながらスワップポイントが高いことと、値動きが比較的大きいのでトラリピが成立しやすいので選びました。南アランドは、高いスワップポイントが魅力ですね」
その結果は下の通り。多い月は60万円を超える利益を出している。平均しても1か月で20万円前後の利益だ。
●トラリピ犬さんの2010年の成績
為替差損/スワップポイント/月間合計
1月 75500/12652/88152
2月 238000/30912/268912
3月 141000/11912/152912
4月 100000/-27007/72993
5月 639800/8545/648345
6月 436000/41396/477396
7月 302000/48330/350330
8月 170000/41784/211784
9月 168600/27029/195629
10月 87000/6478/93478
11月 96000/5474/101474
12月 36000/-6546/29454
年間合計 2489900/200959/2690859
※マネーポスト2011年3月号