胃がんの発がん物質と認定されているピロリ菌。耐性菌の出現で除菌成功率が低下する中、いますぐできることは?
「はじめて除菌をする場合、成功率は約7割。失敗すると、薬の種類を変えて、またやり直すことになりますから、1回目で成功させることが重要です」
そう語るのは東海大学医学部教授の高木敦司さん。除菌治療が失敗した場合、その原因はふたつ考えられる。ひとつは薬をのみ忘れたり、のみ方を間違ったりした場合、もうひとつは、薬の効かない“耐性ピロリ菌”だった場合だ。近年、耐性菌の出現率は、年々増加している。
除菌成功率向上のため、高木さんは、ピロリ菌除菌の際に、『LG21乳酸菌』を使用したヨーグルトを併用する研究をしている。
「LG21乳酸菌は胃酸に強く、胃の中に留まって、ピロリ菌の活動を抑えることが確認されています。ピロリ菌感染者に除菌治療をするとき、事前にLG21乳酸菌を使用したヨーグルトを食べると、薬をのんだだけの人に比べて、成功率は10%以上も高くなったのです。
さらに耐性ピロリ菌に感染していた人では、除菌成功率が薬だけの場合28%であるのに対し、LG21乳酸菌入りのヨーグルトも併用した場合は38.5%と、有意に差がありました」(高木さん)
ちなみに、「ピロリ菌は、4~5才までに経口感染すると考えられています。母がピロリ菌陽性の場合、子供が陽性になる確率は、母が陰性の場合に比べて13倍高くなります」(高木さん)とのこと。
※女性セブン2011年3月31日・4月7日号