ライフ

大原麗子、安岡力也も罹ったギラン・バレー症候群とは何か

 風邪や、細菌性下痢が治った数日後に急に手足がしびれたり、力が入らなくなるのがギラン・バレー症候群だ。免疫システムの異常によって抗体やリンパ球が神経を攻撃するもので、急激に悪化して寝たきりになることもある。1か月程度で進行は治まるが、ときには呼吸不全などを起こすこともある。早い時期から血漿交換や、免疫グロブリン大量療法を実施する。

 ギラン・バレー症候群は、手足を中心に身体が運動麻痺を起こす、急性の末梢神経の病気だ。カンピロバクター、マイコプラズマなどの細菌や、ウイルスによる呼吸器や消化器感染が起こった1週間から10日後程度で発症することが多い。

 急に手足がしびれたり力が入らなくなり、日に日に症状が悪化して歩けなくなって寝たきりになったり、呼吸不全や自律神経の障害による不整脈を起こすこともある。地域、年齢を問わず、誰でも発症する可能性があるが、男性が女性よりもやや多い。近畿大学医学部附属病院神経内科の楠進教授に聞いた。

「近年の研究で、急性期患者の血中の約60%に、神経系の細胞膜の構成成分であるガングリオシド(糖脂質)に対する抗体が検出されることがわかっています。細菌がガングリオシドに似た構造を持つために、細菌を攻撃する抗体が、間違って神経細胞を攻撃すると考えられています」

 従来は末梢神経の周囲を覆う髄鞘(ミエリン)が障害される脱髄性多発神経炎と考えられてきたが、神経の軸索自体が障害される例もあることがわかってきた。全体的に前者の症例が多いが、欧米に比べると日本を含むアジア圏では後者の比率が多い。

※週刊ポスト2011年4月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン