連日、被災地や避難所などを覆う「今そこにある悲劇」が報じられている。しかし、今日にばかり目を向けていると、1年後、確かな再起に向けて歩き始めていたはずの被災者を、そして日本を、さらなる悲劇が襲うことになりかねない。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は深刻な問題だ。
「慢性的不安感の他、震災時の恐怖がフラッシュバックし、警戒心が過剰になるなどの症状は、一旦消えて平常に戻ったように見えて、半年後以降にまた現われる発症遅延というケースもある。避難所ではプライバシーのない共同生活が続き、ストレスも大きい。被災した自宅に戻って孤独死したり、自殺の可能性も出てくる。心のケアや生活の支援などのサポートが必要」(臨床心理士の矢幡洋氏)
※週刊ポスト2011年4月8日号