作業員による命がけの復旧作業が続く、福島第一原発。東電の下請け企業の作業員として現場にはいったXさん(60)は、こう振り返る。
「身につけている線量計は鳴りっぱなしでした。原子炉内の話ではありませんよ。原子炉建屋前にはセキュリティーゲートというのがあるのですが、その前に立つだけで、ビービー警告音が鳴り始めるんです。もう思い出したくもありません…」
電気配線の作業にあたったというYさん(41)もこう証言する。
「これまでは着用を命じられていなかった場所でも防護服を着なければいけなくて、そこまで放射能が広がってる事実に足が震えました。その場にいた同僚もみんな同じ思いで、いっせいに黙りこんじゃいましたね。
防護服の下には、2枚も3枚も服を重ねて、首にはタオルをぐるぐるまいて、とにかく肌を隠しました。それで大丈夫だとは思わなかったけど、少しでも大丈夫だと思わないと精神的にかなりきつかった。
実際の現場に行くと、胸にある線量計は鳴りっぱなし。緊張するし焦るしで全身汗びっしょりですよ。正直いって、懐中電灯はあっても、あれだけの暗闇での仕事だと作業がうまくできているか自信はない。精一杯やってるけど、確認できてない部分もあったと思います」
※女性セブン2011年4月14日号