東北関東大震災の影響でテレビCMの多くがACジャパンの公共広告に差し替えられた。そんななか、引用された詩が話題になっている。
<「思い」は見えないけれど「思いやり」はだれにでも見える…>
この詩『行為の意味』の作者は故・宮澤章二さん(享年85)。大正8年(1919年)埼玉県羽生市に生まれ、東京大学文学部を卒業し、高校教諭を経て文筆業に専念。童謡や校歌などの作詞も多数手がけた。宮澤さんの長男・鏡一さん(61)がこう語る。
「優しい父でしたが、書斎で詩の創作をしているときに邪魔したりすると、すごく怒られましたね。いつも銀座の伊東屋の原稿用紙を使っていました」
詩の全文を読むと、CMで紹介されている以外にも心に残るフレーズが多い。この詩が書かれた背景には教育者としての宮澤さんの思いがあったという。
「もともとは中学生を応援するための詩でした。昭和63年ごろ、子供たちのいじめとかが増えてきていて、そういった意味でも心づかいとか他人を思いやる心をもってほしいという気持ちをこめていたと思います」(鏡一さん)
宮澤さんの代表作には、他にクリスマスソングの代表曲『ジングルベル』がある。
※女性セブン2011年4月14日号