投資の世界で最近よくCFDという言葉が取り上げられている。「差金決済契約」という日本語訳があてられるが、それでもいまいちよくわからないかもしれない。そこで眞鍋かをりがCFDのパイオニア「CMC Markets Japan」の小池一弘社長にCFDの魅力を聞いた。
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眞鍋:小池社長、どうぞよろしくお願いします!
小池:この連載でCFDを扱うのは初めてなんですね。
眞鍋:そうなんです。私なりに予習をさせていただいたのですが、ちょっと理解するまでに時間がかかるな、というのが率直な感想でした…。金とか石油とか、先物系を含めて取引できるというところまでは、なんとなくイメージできるのですが、どんな仕組みなのかが…。
小池:CFDはContract For Difference、「差金決済契約」の略。つまり、お客様は株や債券、石油などの商品を実際に買うのではなくて、その投資対象の現在と将来の値動きの差額に投資します。
眞鍋:なるほど。株や、債券をFXのルールで投資するようなイメージですか?
小池:その通り。FXマージンと仕組みはまったく一緒です。FXの株版、という感じですね。
眞鍋:なんだ! わかりやすいじゃないですかっ! 御社のHPを拝見していて、“投資対象を実際に所有することなく、利益が上げられる”ということが書いてあったのですが、“所有することなく”って、一体どういうことなんだろうって思ってたんです。あくまで“差額”だからなんですね。
小池:株、債券、日経225やダウなどの指数、小麦や石油、とうもろこしなどの商品、為替。価格の発生するものは全て対象になるのがCFDなんです。商品取引にしても、当社であれば現在約3000銘柄をそろえていますから、そのとき旬のものに投資することができるんです。たとえば金が上がりそうだと思ったら、金を実際に持つことなく、金に投資することができるというわけです。
眞鍋:これまで金の投資って言ったら、実際に金そのものを買って、どこかに預けたり、持って帰って金庫に入れて大事にして、上がる時をジーっと待つっていうイメージでしたけど。
小池:ところがCFDは証拠金取引なのでレバレッジも利きますから、商品の場合は5% の金額で、実際に金を所有しているのと同じように投資ができるんです。
眞鍋:そうだ、レバレッジが利くんですよね。それがすごい。
小池:たとえば、CFDで金に投資するとします。金が100万円だとします。商品の場合、証拠金は5%なので、お客様は100万円の5%、つまり5万円を金に投資します。1年後、100万円だった金が120万円に上がりました。お客様には、上がった分の20万円が入る、という仕組みです。
眞鍋:なるほど。でもCFDって、投資対象はたくさんあるし、他の金融商品に比べて、情報がまだ少ない気もするし、個人投資家にはちょっと難しい感じがするのですが…。たとえば、こんな風に投資する対象を選ぶといいよ、というアドバイスはありますか?
小池:特別な専門知識よりも、今、世界で何が起きているのか、ということに興味を持つことが大切です。先日も、オーストラリアが豪雨の被害に見舞われましたよね。ニュースでは、豪雨の影響で小麦がとれなくなる、ということを伝えていたりします。そこから、小麦がとれなくなれば、小麦が値上がりするため他の穀物に需要が集まるだろう、と考えられます。オーストラリアであれば、たとえばとうもろこしとか。そこで、CFDでとうもろこしを買ってみるんです。
眞鍋:日常のニュースから、ヒントを見つけられるんですね。
小池:CFDは、売りから入ることもできる金融商品なので、逆に何か農作物などがとれすぎてしまった、というニュースがあれば、将来値下がりすることが考えられますから、売りから入って、買い戻す、ということもできます。
眞鍋:なるほど。たとえば「私はコーヒーショップで働いていて、コーヒー豆の値上がり、値下がりはすぐにわかるわ!」と思ったら、コーヒー豆に投資してみるとか。
小池:その通りです。ちなみに、日本では個人投資家が海外のコーヒー豆に直接投資できる環境はほとんどありません。ですから海外のコーヒー豆に直接投資をしようとしたら、今のところCFDで取引するのが有力な投資方法のひとつです。
※マネーポスト2011年3月号