震災直後のことだった。球界の盟主、読売巨人軍・渡邉恒雄球団会長(84)が大号令をかけたという。
「“セ・リーグの開幕が遅れたら、みんなクビ”とのことでした。厳命された読売巨人軍のスタッフがセ・リーグ全体を巻き込んで、予定されていた3月25日の開幕を強行実現しようとしたんです」(スポーツ紙記者)
渡邉会長は3月16日に開かれた球団激励会で、「開幕戦を延期しろ、とかプロ野球をしばらくやめろ、とか俗説もありましたが…。戦争に負けた後、3か月で選手、監督のほうから“試合をやりたい”という声があがってプロ野球が始まったという歴史がある」と、昔話までもち出して予定通りの開幕の正統性を強調したが、結局は、4月12日のセ・パ同時開幕にと落ち着いた。
巨人は節電のため、4月中の東京ドーム使用自粛まで求められ、開幕戦は山口・宇部市野球場に決定した。宇部市での巨人1軍戦そのものが実に56年ぶり。それに加えて、突然降って湧いた開幕試合に、地元はてんやわんやだ。
「すでに約1万2000人分のチケットは完売で、問い合わせの電話が鳴りやまない状態。開幕試合となれば渡邉会長ら球団の首脳も来るでしょうし、どう対応したらいいか。ガードマンの数も1.5倍くらいに増やすことになりそうです」(宇部市野球場関係者)
※女性セブン2011年4月14日号