『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』『ねるとん紅鯨団』『浅草橋ヤング洋品店』など数々の番組を演出し、コメンテーターとしても活躍するテリー伊藤が、テレビ界の裏話から視聴者心理まで軽妙な文章で映し出した注目のエッセイ『テリー伊藤のテレビ馬鹿一代』(毎日新聞社、1260円・全220ページ)。3人の女性にこの本を読んでもらい、感想を聞いた。
まずは、本の虫で「小説は月に3冊は読む」という女性の感想は、
「海外在住の友人は里帰りのたびに『日本のテレビはおもしろい』といってバラエティー番組に釘づけ。驚いていた矢先に本書を読んだ。著者のフィルターを通して語られるテレビ界の数々。亀田興毅など、本書で取り上げられる人たちが皆、とても素敵に思える。でも、これこそがテレビの力。テリー伊藤がテレビに出ていなかったら、共感度も薄いはず。テレビと楽しくつきあえるようになる一冊です」
それに対し、「意外とフツーだった」と感想を述べたのは雑誌大好きなOL。
「著者をテレビで見ると、話題の人物や物事に鋭く切り込んでいく。『そうだそうだ』と共感することもあれば『えーそうかな?』と不満に思ったり。良し悪しは別にしてハッキリ物事をいう人の印象。この本もそういったものかと思いきや、意外と普通でした。もう少し踏み込んで“え、そんなことまでいっちゃう?”といった内容を期待していたので肩透かし」
もっとも辛辣だったのが、「読書は貴重な息抜き」という育児に忙しい専業主婦の感想。
「ひとりよがりって感じです。ほら、的を射ているでしょ!とばかりに自信満々に書いているけど、ちょっとピントがずれている気が。市川海老蔵や蓮舫、亀田兄弟などを見る目は著者と私たちは違うと思った。きっと仲のいい人は悪く書かないのでしょう。根本からずれているような気がしたので、この本は読んでも何も残らなかった。テレビが好き!という思いは伝わってくるけど、ただそれだけの本でしたね」
ちなみに、それぞれが読了までにかかった時間は、順に、2時間半、2時間、2時間だった。
※女性セブン2011年4月14日号