放射性物質による汚染のニュースが止まらない。3月23日に東京の浄水場で放射性ヨウ素が検出された。そして、さらにその汚染は野菜をはじめ農作物にも及び、国の暫定基準を超える放射性物質が検出された食品は6都道府県で16品目にも及んだ。
それでは私たちはどうやって安全な水や食物を摂取するべきなのか。日本大学歯学部アイソトープ共同利用専任講師の野口邦和氏はこう話す。
「魚は動き回ることができ、汚染された海にじっとしているわけではないので、簡単に汚染が見つかることはありません。野菜に関しては、放射性物質は表面につくものですから、そら豆とか果物であれば皮をむけばよいですし、根菜類であれば土の中にはいっているため、付着は少ないと考えてよいと思います。
雨水と一緒に地中にはいりこみ根から吸収されることも考えられますが、量はごくわずかでしょう。調理の際にはいつもよりたくさんの水をつかってよく洗う。お湯でゆでて、ゆでたお湯は捨てる。こうすれば、放射性物質はかなり減ります」
また水道水についても、こんな防御策を教えてくれた。
「摂取基準である1リットルあたり300ベクレルというのは1年間続けて飲んでもリスクの少ないもの。妊娠中や授乳中であっても、胎児や乳児への影響はごくわずかです。それでも心配であれば、ヨウ素は活性炭につきやすい性質があるので、活性炭が使われているフィルターであれば、効果はあるでしょう。くみ置きも効果はありますが、衛生上10日以上は好ましくありません。また、煮沸は効果がないうえに水を飛ばしてしまい、(ヨウ素の)濃度が高くなってしまうので、やめたほうがいいでしょうね」(前出・野口氏)
※女性セブン2011年4月14日号