脳の状態を検査する脳ドックで、脳動脈瘤が発見されることがある。脳動脈瘤はくも膜下出血の原因であり、破裂により命を落とすこともある。未破裂動脈瘤については、大きさ、場所、数、年齢などで治療方法が決められる。経過観察されることもあるが、巨大なもの、家族にくも膜下出血患者がいる場合などは開頭クリッピング術やコイル塞栓術で破裂予防が行なわれる。
脳ドックは、MRIなどで脳を検査し、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など脳の病気のリスクを早期に発見することを目的としている。近年、健康診断のオプションとして採用する企業もあり、受診者も増えている。
この検査で、脳動脈の一部が瘤状や紡錘状に膨れる脳動脈瘤が発見されることがある。動脈瘤があったとしても頭痛などの自覚症状はなく、日常生活も普通に送ることができる。しかしこの脳動脈瘤が破れると、くも膜下出血をきたし、命にかかわる重篤な状況に陥ることもしばしばある。東京女子医科大学付属病院脳神経外科の岡田芳和主任教授に話を聞いた。
「MRI検査で脳動脈瘤が見つかった場合、大きさやできた場所、瘤の数、年齢、家族内でのくも膜下出血患者の有無などをもとに治療方法を考えます。経過観察をすることもありますが、中には2cmを超える巨大な瘤、複数の動脈瘤が見つかった場合や、瘤の形状が不整な場合には治療を勧めています」
(取材・構成/岩城レイ子)
※週刊ポスト2011年4月15日号