いつやってくるかわからない介護生活。公的介護保険のサービスを受けるには、さまざまな段階を踏まねばならない。そこで、要介護認定を受けるまでの流れを、主婦の「ナナ子さん」の奮闘記として紹介します。
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千葉県に住む主婦・ナナ子さんの義母からある日、義父(82)が転んでしまいひざの痛みを訴えていると電話が。医師の診断では変形性膝関節症で、歩行器なしでは不安定で歩けない状態に。義父はナナ子さん宅から20分の戸建に住んでおり、義母も79才と高齢でひざに持病がある。困ったナナ子さんが市役所に相談すると、介護保険サービスの申し込みを勧められ、介護保険被保険者証と申請書を提出するよういわれた。
申請申し込みから5日ほどたって、「訪問調査員」から訪問調査の日時を決めたいと連絡があったと義父。自分たちだけでは不安だからということで、ナナ子さんも立ち会うことになった。訪問調査員は40代半ばぐらいの女性。質問は74項目。「歩行について、1.つかまらないでできる、2.何かにつかまればできる、3.できない」などあてはまるものに○をつける。
「歩行器がなくても壁をつたえば歩けるといえば、歩けるんだがなあ…」と調査員の前でなぜかミエをはる義父。
「でも、義父さん、歩行器がないと不安定で歩けないじゃないですか、だからこれは2でしょ!」とナナ子さん。
調査は50分ほどかかり、ナナ子さんは「義母の手助けがないとズボンも脱げないようです」など気になった義父の状態をメモして調査員に渡した。主治医の意見書は義父のひざを看てくれた近くの医者に依頼。義母とふたり暮らしで、義母ひとりでは義父の介護が難しいことなど伝えたうえで、意見書を書いてもらった。訪問調査の内容と主治医の意見書をコンピューターにかけ、一次判定が出た後、学識経験者によって「介護認定審査会」というものが行われるらしい。
1か月後、義父のもとに介護認定の通知がきて、要介護1という結果に。要介護2ぐらいかもと思っていたのに要介護1という判定結果にびっくりのナナ子さん。要介護2であれば1か月約19万4800円が1割負担で利用できる上限額だが、1の上限額は約16万5800円。約3万円の差は大きい。
※女性セブン2011年4月14日号