3月6日、7日に菅政権の目玉である「規制仕分け」が行なわれた。その現場では何があったのか、本誌編集者が報告する。
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今回の仕分けは、仕分け人たちの「突っ込みが甘い」と感じる場面が多かった。それもそのはず、「過去の仕分けで本当に役所の痛いところを突いた仕分け人は何も言われず、次から呼ばれなくなる」(第1回の事業仕分けで仕分け人を務めた民間人)という。
テーマ選びだけでなく、人選にも疑問符というわけだ。
役所側の政治家は堂々と「規制が合理的だという立証責任は我々にはない」と仕分け人たちに言い放った。しかし、第1回の「事業仕分け」でとりまとめ役を務めた枝野幸男氏(現・官房長官)は当時のインタビューなどで、
「これからは行政(役所)の側に、予算や事業が必要だという、“高度な立証責任”が求められる」
とはっきり言い切っていた。民主党の政治家の皆さん、簡単に“初心”を忘れてもらっては困ります。
※SAPIO2011年4月20日号