大切な家族によりよい老後を送ってもらうためにも介護施設選びは重要だが、残念ながら入所後のサービス内容や費用にまつわるトラブルは年々増えているという。当初は月々の費用が15万円と聞いていたのに、実際には料金別途のサービスが大量に加算され1か月で30万円近い金額が請求されたなどのケースだ。『もう限界!! 施設介護を考えるときに読む本』(自由国民社)などの監修者でケアタウン総合研究所代表の高室成幸さんはこう話す。
「介護施設はさまざまな種類があり、費用やサービス内容などにもかなりの幅があるので、基礎知識を身につけることはもちろん、ホームに見学に行く、体験入居をするなどして慎重に選ぶ必要があります。介護のために捻出できる予算、必要なサービス、住むエリアを考えてみましょう」
入居利用料に含まれる費用は特別養護老人ホームのように住居費、食費、家具代、介護保険の自己負担分などが含まれているものから、住居費以外は含まれない高齢者向け優良賃貸住宅など、施設によって内訳は異なる。すべての介護施設で、介護保険の支給限度基準額を超えた介護サービス費や医療費は、別途必要になっている。ちなみに、入居利用料に含まれる費用の内訳は以下の通りだ。
住居費:家賃、施設の共益費、管理事務費などの費用
食費:朝、昼、夜の食事代
家具費:ベッドやタンスなど入居時に必要な家財道具の費用
介護保険の自己負担額:介護保険制度で要介護度別に限度額が定められた自己負担額
入居一時金:入居時に支払う費用。退去時に返却される場合もある
入居する施設では、上記のどの費用を支払う必要があるのか、しっかり知っておくことがトラブル防止の第一歩となるだろう。
※女性セブン2011年4月14日号