半期ごとに新モデルが投入され、機能がどんどん進歩するデジタルカメラ市場。国内では20社以上のメーカーが鎬を削る。
3月中旬、家電量販店のデジカメ売り場。富士フイルムのデジカメ『ファインピックスX100』売り場には一段と人が集まっていた。有効画素数1230万画素。コンパクトデジカメでありながら、デジタル一眼なみの高画質性能を誇る。
23年前、40万画素で富士フイルムが切り拓いたデジタルカメラの歴史は、95年に100万画素を突破すると、画素数競争が勃発。今では1万円台の製品でも1000万画素を優に超える進化を遂げている。
画素数での競争が頭打ちになると、今度は手ブレ補正、顔認識など次々と新たな機能が追加されてきたが、メーカー各社は常に厳しい舵取りを強いられていた。
「新機能搭載のために開発費がかかるにも拘らず、コンパクトデジカメ市場のボリュームゾーンは1万~2万円台。利益を出すのは厳しいのではないか」(大手家電販売店幹部)
※週刊ポスト2011年4月15日号