デマと風評は被災地の復興を妨げている。
福島県いわき市の渡辺敬夫・市長は、「市内は避難区域ではないのに救援物資が届かない」と訴える。いわきへの車が茨城県の日立市で止まっていたケースもあったという。
タクシーが「福島行きはお断わり」と乗車拒否するケースも増えている。国土交通省は業界団体に乗車拒否しないよう指導しているが、今も問題は続いているようだ。
建設機械メーカー幹部が語る。
「我々も福島に行けば被曝すると本気で怖がっているわけではないが、テレビで救援物資を届ける場面が映された運送会社が、他の客から取引を停止されたという話もあって、できれば福島には行きたくないという正直な気持ちがある。こちらも商売だから、断われるものなら断わっている」
建機が届かなければ、瓦礫撤去もインフラや住居の再建もできない。
※週刊ポスト2011年4月15日号