おにぎりだけで何日も過ごさざるをえない人がいる一方、肉やアルコールまで届いている人もいるなど、被災地での支援格差が問題となっている。仙台出身で、ボランティアとして宮城・南三陸町と石巻市雄勝の被災地を訪れた、早稲田大学大学院専任講師の西條剛央氏はこういう。
「テレビが中継するような大きな避難所には物があふれていますが、孤立している避難所がまだまだあり、そこにはまったく物資が行き渡っていません。たとえば、ある避難所では“3週間お風呂にはいってない”ということでした。私たちは赤ちゃん用にと思って、お尻ふき用のウエットティッシュを持っていたのですが、“私たちが、これで体を拭かせていただきます”ともらってくれたんです。それぐらい物が届いてないところがあるんです」
その避難所は震災から3週間たってなお、入浴のケアもされていなければ、物資もなかなか届いていなかったというのだ。避難所によってこのような格差が出る原因について、前出の西條氏がこう話す。
「困っている避難所がたくさんあるのに“もういりません”といって断る自治体がある。実際には、すべての避難所の状況を把握しておらず、配達手段もいまだ確保できていないんです。物資は自治体に届いているものの、それを配達できてない避難所があるんです」
※女性セブン2011年4月21日号