「仙台、ヤバイですよ。マジでヤバイ」
怯えた表情でそう話すのは、宮城県・仙台市の繁華街・国分町の美人キャバクラ嬢・Aさん(23歳)だ。店が再開したばかりの3月25日金曜日に、店長からキャバ嬢たちに一斉メールが送られてきた。
<お疲れ様です 警察の方がお店にいらっしゃいまして、レイプ、人攫いグループ情報を聞かれ、注意するように指導されました>
そう前置きしたうえで、4台の車の車種やナンバーの一部を具体的に挙げ、<夜一人で歩かないで下さい 送迎乗って下さい 乗らないならタクシー乗って下さい>と集団レイプ魔への注意を呼びかける内容だ。
同じ店で働くBさん(26歳)もこう語る。
「国分町でもレイプ事件が2件はあって、1件は犯人が捕まったって聞きました。あと増えているのが、ガス栓強盗。ガスが止まってるから、ガス会社の人間を装ったツナギ姿の男が訪ねてきて、暴行するんですって」
他にも、友達がレイプされた、車に連れ込まれた、親戚の家の周りを包丁を持った人がうろついている、といった話が出回り、キャバ嬢たちが震えあがっているのだ。
実際にそうした事件は起きているのか。宮城県警に問い合わせると、「そうした話はウチでは把握していない。宮城県警のほうからキャバクラに働きかけをしているということもないはず。確かに強制わいせつ事件は2件あり、1件は逮捕し、1件は継続捜査中ですが、震災に関係があるといえるのか……。震災後も重要事件の発生は少ない。皆さんには流言飛語にまどわされず、冷静に行動してほしい」(広報課)
どうやら真相は、一部の事実に尾ヒレがついて、キャバ嬢たちの間に広まっているということらしい。ひとまず安心とはいえ、デマがキャバ嬢たちを媒介して客に広く伝わっているとすれば大事だ。
※週刊ポスト2011年4月15日号