寄付は、被災者に直接見舞金として渡される「義捐金」と、被災地で支援にあたる団体の活動資金になる「支援金」のふたつに大まかに分けられる。
義捐金は日本赤十字社や中央共同募金会(いわゆる「赤い羽根」)などが窓口となって集められ、被災した都道府県が設置する義捐金配分委員会に全額渡される。委員会には両団体や報道機関なども参加し、分配対象や金額が検討され、最終的に被災者に届けられる。
一方、支援金は被災地で活動するボランティア団体や各種NPOを支えるために使われる。もちろん支援金を救援物資購入に充てて被災者に配ることもあるだろうが、それは各団体の判断だ。中央共同募金会も災害ボランティア・NPO活動支援のための支援金を義捐金とは別途募っている。
被災者やボランティア団体ではなく被災した自治体に復興資金として使ってもらいたい人は、各自治体が設けている口座に直接振り込むことになる。なお、日本赤十字や中央共同募金会への義捐金や、最終的に国または地方公共団体に対して直接寄付したお金は、国税庁が指定する「特別寄付金」に該当するため、寄付金控除の対象となる。申告には募金の窓口となっている団体から届く証明書が必要だ。個人の場合は募金額から2000円を引いた額が経費(控除の対象)となり、所得の40%が上限。法人の場合は全額が経費となる。
義捐金、支援金に加えて、「救援金」という呼称も存在するからややこしい。
大手新聞社は「救援募金」という名で寄付を呼びかけている。たとえば朝日新聞は募金の目的を「送られた寄付は被災者支援に携わる各種の団体に寄託するとともに、一部は朝日新聞厚生文化事業団の救援事業にも充てます」と説明している。これは団体への寄付なので厳密には「支援金」に該当する。しかし、全額を日本赤十字社経由で被災地に送るとする「救援募金」もあり、厳密には使い分けられていないようだ。
※週刊ポスト2011年4月15日号