「レンズを向けられて撮られるというのは、やはり、ちょっと怖いですねえ。戦地で、子供たちが怖がる気持ちが、やはりわかりますねえ」
とほほ笑む“戦場カメラマン”渡部陽一さん(38)。ゆっくりとした話し方で大ブレイクした彼が、1秒24コマ送りというスピードで進むアニメ映画(『名探偵コナン 沈黙の15分』4月16日、全国東宝系にてロードショー)のアフレコに初挑戦するという。しかも犯人を追う刑事の役だとか。
「ぼく自身、とても、びっくりしています。ですが、監督に、そのままでいいといわれました。今回、新潟県警の、“刑事”の役柄なんですが、生と死の狭間にいる緊張感のある作品に、少しでも、貢献できればと思いました」
演技をするのは、中学の文化祭で『エデンの東』の(ジェームズ・ディーンが演じた)主人公・キャル役以来、とも! そういえば刑事を“デカ”と呼んでいるし、実はワイルドなキャラ!?
「いえいえ、文化祭のときは強制でしたから(苦笑)。ですが先生に、セリフはゆっくりはっきり話すようにといわれたことは、いまも覚えています」
もともとミステリー作品が好きで、コナンも好きなアニメなんだそう。
「話の落としどころ、ミステリーの深み、構成の組み立て方。特にスピーーード感。それらは、子供だけではなく、大人のかたも、どっぷりと、はいり込んでいく、大きな柱であると、思うんです。それに、ぼくの戦場取材も、ターゲットにどのようにして接触をしていくか、情報を集め、写真を撮影していく。取材そのものが、ミステリーなんですねえ」
※女性セブン2011年4月21日号