被災地近隣を故郷に持つ著名人が、故郷への想いを語る。宮城県仙台市出身の映画監督である岩井俊二は、学生時代と桜に想いを馳せる。
「仙台の桜は東京より少し遅い。母校・仙台一高のグラウンドを桜の樹が一周囲んでいて、新入学シーズンがやや過ぎてから満開になる。男子校だったので何ともストイックな桜の景色だった。思春期、青春期をあの街で過ごし、初恋の想い出や初デートの想い出が、そのままあの街に残っている。大きな地震と津波によって瓦礫になった場所にも、きっとまた人が集い、恋や人生の想い出を繰り返すだろう。そんな人間の生命力を信じたい」
女優の秋吉久美子は、青春を福島県いわき市で過ごした。3月27日には福島県民らが避難生活を送る味の素スタジアム(東京)で西田敏行らとともに炊き出しを行い、「皆さんおつらいはずなのに、品格があって『みんなが優しくてうれしい』とおっしゃる。痛みを分け合って、できることをしていかなければと、日本人の原点を教わった思いです」と語った。
※女性セブン2011年4月21日号