大震災直後から盛んに取りざたされる民主党と自民党の大連立構想。菅政権との大連立に反対する中川秀直・自民党元幹事長は、大連立がもたらす大きな損失を指摘する。
「菅首相は今回の事故対応の政治責任を取って辞任すべきです。そうでなければ挙国一致はできない。日本が早急に行なわなければならないのは、東電や原子力安全・保安院の安全確認体制まで含めた事故の原因を世界中からメンバーを入れて調査・検証すること。そうしないと世界は納得しないし、日本の国際的信用を取り戻せない。
しかし、事故対応を明らかに誤り、ミスを隠すためにミスを重ねてきた菅政権には正確な検証などできない。菅首相が大連立したいのは失敗を追及されたくないという責任回避、延命のためです。自民党も与党に戻りたいという発想で菅首相に手を貸してはいけない」
さすがに自民党の責任には言及しなかったが、“原発隠しの連立”という見立ては当たっている。
※週刊ポスト2011年4月22日号